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携帯電話をauからpovoに移行した

2021年04月02日

NTTドコモのahamo発表を発端とする3大携帯キャリアのオンライン専用プランの流れがようやく固まってきて、ひとまずそれらのプランの受付がはじまりました(契約できるとは言っていない)。少しずつ進めてきた携帯電話まわりの見直しの一環として、auから料金プランをpovoに移行してみることにしました。

昔話

確認したらちょうどauを使いはじめてから10年でした。中学校を卒業して親にスマートフォン(IS06)を買い与えられたのですが、その時は親が使っているからということでauを契約しました。当時は3G全盛期で、iPhoneはソフトバンクの独占供給だったような時代です。

時は流れて自分のお金でスマホを買うことになりました。契約の名義も親から自分になり、料金も自分で支払うようになりました。その時に選定したのがiPhone 6sです。元々はAndroid派だったのですが、当時のAndroid端末は発熱の問題を抱えており、また使用していた端末もバッテリーが虫の息だったためやむなくiPhoneに乗り換えることになったのです。

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当時の3大キャリアの料金プランは今よりもずっとシンプルで、7GB/月で基本料金1000円+データ通信が5700円というものでした。端末も今よりは安価で、アップグレードプログラムのようなものもありませんでした。auの通信品質にも大きな不満はなく、キャリアの変更は考えませんでした。

その後iPhoneをiPhone X、iPhone 11と買い替えていったのですが、プランは従量課金の導入の辺りから複雑になり、高価になった端末の購入補助としてアップグレードプログラムが用意され、5G端末はミドルレンジでも10万円、ハイエンドなら15万円という時代に至りました。ただし総務省の圧力により複雑だった端末の値引きまわりの施策は廃止され、そのぶん通信プランのほうはだいぶ値下がりしました。

オンラインプランに移行して失うもの

各社のオンライン専用プランはコストのかかっていたさまざまなものを切り捨てることで、シンプルで安価で質のよい通信を供給する……という趣旨のものです。ひとつずつ見てみましょう。

対面サポート

一番大きいのはここだと思いますが……iPhoneを使っている場合、端末にかかわる困り事はそもそもキャリアではサポートできないので最寄りのAppleCareに持ち込むことになります。つまり無くても困りません。

回線や契約まわりで何か困ったことがあるとちょっと大変ではないかという懸念はあります。

端末の購入

ahamoでは独自に端末の販売を行っており、Android端末はゴミアプリがだいぶ減らされて良さそうです。povoやLINEMOは端末を売っていないので自分で買う必要がありますが、これはそれぞれのブランドの親キャリアで移動機物品販売を使う手も。

これもiPhoneならApple Storeで買えばよいだけの話です。ただし端末代を分割する場合はオリコでクレジットを組むことになるので、金利がかかってくるうえ10万円未満であっても審査があります。AndroidもSIMロックフリー端末のほうがキャリアのゴミが入っておらずシンプルですが、修理関係がメーカー頼りになるのでちょっと心配ではあります。

ミドルレンジの端末を一括で買うと1円になる、というような購入補助もありません。これはそこにコストがかかっていたからなので仕方がないところですかね。

キャリア決済

スマートフォンの時代になってもちょこちょこ使われてきたキャリア決済ですが、ahamoではApp StoreとGoogle Playを除いて使えないようです。povoは最初から対応、LINEMOは今後対応予定とのこと。

電話まわりの追加機能

これが要る人はUQやワイモバイルを検討したほうがよいでしょう。

povoに移行します

ahamoはオンライン専用プランの流れを作ったプランなのですが、こうして見ると他のプランと比較してできなくなることが多いように見えます。MVNOと同じような使い勝手になるでしょうか。ドコモのことなので回線品質の心配は無用でしょう。

LINEMOはMNPのために他の電話番号を用意しなければいけない時点でまともに契約を取る気はないのでしょう(現在は解消されているとも聞きます)。パス。

povoは昨今のKDDIに対する印象がよくないこと、auの5Gエリア整備が遅すぎることがネックではあるのですが、auからの移行には良さそうです。上のチェックには入っていませんが、端末の残債や諸々も全てまるごと移行できるようですし、その辺りを整理してから改めてahamo辺りにMNPすればよいでしょう。

実際に移行する

データシェアしているタブレットの契約は事前に解約しておいて、au IDでログインして、いくつかの注意事項を読み、移行ボタンを押すだけです。注意事項の中で気になるものとしては「どのサービスを使っているのか、通信先はどこか識別することがある」というものがありますが、これは将来的にカウントフリートッピングなどが追加されるということでしょうかね。

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平日の夕方に申し込んだのですが、1分後にはmy auでのプラン表記がpovoになっていました。SIMカードを交換してください、といった指示もなく、(auの頃はオプションを契約していなかったので使えなかった)テザリングもiPhoneを再起動したところ出現しました。

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簡単すぎて少し怖いぐらいなのですが、povoトッピングアプリで確認したところきちんと20GBになっていました。トッピングアプリもmy auアプリよりえらくシンプルですが、トッピングの購入と容量チェックという最低限の仕事はしてくれます。

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アンテナピクトもauのまま、スピードテストも平日の夕方にとったぶんにはauを使っていた頃と全く同じ結果です。あとはMVNOが苦手とする平日の昼にどうなるのか見てみる必要はあるでしょう。


追記 2021/04/07

何度かお昼の時間帯にスピードテストを取ってみましたが、かなり良好な結果が出ています。もしかするとpovoのユーザーが増えてくると影響があるかもしれませんが、APNがauそのものなので個人的にはあまり心配はしていません。

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ただし同じ福井市内であっても地域差が激しく、運動公園付近では下り80Mbps近い結果が出る一方で、新田塚周辺では20Mbps前後に落ちてしまうこともありました。それでもいわゆる格安SIMと比較して安定して速い印象です。

定期的にスピードテストを行っているサイトでも結果が奮わなかったようですが、auの回線にはこのような特性があることは覚えておくとよさそうです。またこれもau回線の特性として上りは遅いので、たとえばSNSに大量に写真や動画をアップロードする……といった使い方には向きません。同じくKDDI系のブランドでスピードの傾向も似ているUQ mobileには15日間お試しキャンペーンがあるので、そちらで自分の行動範囲で満足の行くスピードが出るか確かめてみるのがよさそうですね。