WF-1000XM4を買った
2021年07月13日
ソニーの完全ワイヤレスイヤホン、WF-1000XM4を買いました。
なぜ?
車社会なので移動中にはカーオーディオを使い、家にいる時は有線のヘッドホンを使っていますが、遠征用に持っているソニーのWI-C400をたまに使うとワイヤレスが便利に感じることも多々ありました。ただWI-C400は色々不便な所もあり
- 複数の機器と同時にペアリングできない(実際はできるらしい……)
- 音はシャリシャリしてあまりよくはない
- ネックバンドで首が締まって不快
ということで、新しいワイヤレスイヤホン、できればトゥルーワイヤレスが欲しいと思うようになりました。最初はAirPods Proを検討していたのですが、6月にXM4が登場してたいへん評判が良く、海外ではともかく日本ではほとんど価格差もないのでXM4を購入することにしました。
基本的にAppleエコシステムの中で使うことを想定してインプレッションをしています。Android端末での使い勝手などは調べていません。
音
これはもうとても評判が良いので良いんですが、初期設定ではちょっと音がこもり気味で高音はややシャリつきます。これは後述の専用アプリを使ってイコライザーを調整すると見違えるように良くなります。
ロックはあまり聴かずアイマスやらEDMやらJ-POPやらばかり聴きますが、解像度が高く音がしっかりと分離して聴こえる一方、モニター指向な音ではなく明確にリスニング指向の音作りであるように思います。繋いでいるのがiPhoneやMacなのでコーデックはAACになるのですが、AACでもかなりいい感じです。真価を発揮するのはもちろんAndroidやLinuxでLDAC接続した時になると思うのですが、いかんせん環境がないので……。
快適性
トゥルーワイヤレスなので一切のケーブル類がなくて快適、というのはそうなのですが、このイヤホンに付いているイヤーピースは低反発フォームでできており、潰してから耳の中に入れると耳の中で膨らんで隙間を埋めるというような作りになっています。
これは特にシリコンのイヤーピースに慣れた人には面倒ですし、またノイズキャンセリングには良いのでしょうけれども圧迫感もあります。
幸い手持ちのfinal E3000に付属のシリコンイヤーピースがそのまま使えて、ケースへの収納にも一切影響しなかったのでそちらを使っていますが、場合によっては社外のシリコンイヤーピースも検討したほうがよいかもしれません。
SpinFit スピンフィット CP360 S,Mサイズ / 各1ペア / e☆イヤホン
イヤーピースを交換してから4時間ほど装着しましたが、快適に使えています。脱落のしやすさなどに多少悪影響はあるかもしれないので、外に持ち出す時はフォームのイヤーピースに交換するかもしれません。
機能
このイヤホンは専用のスマホアプリと併用することが前提の作りになっています。特にソニーのワイヤレスイヤホンはアプリからでのみ可能なファームアップにより安定性などの問題が解決することも多いようなので、スマホと専用アプリの使用は必須と考えてください。あまりないとは思いますがAndroidを使っていて、カスタムROMやHuawei機でGMSを入れずに使っている、という場合ちょっと困るかもしれません。
アクティブノイズキャンセリング
家の中で使う限りで言えば強烈に効きます。ANCというと「水の中にいるような感覚」とよく言われる違和感が出がちですが、XM4ではそういうものは一切なくスッと音が消えます。電車社会の土地に住んでいる人が詳細なレビューを多数上げていると思うのでそちらも参照してください。
外音取り込みモード
これもほとんど違和感なく外の音を取り込んでくれます。音楽をかけていなければほとんどイヤホンを付けていない時の感覚で過ごせます。
ボイスフォーカスという機能が付いており、ノイズはある程度消しながら人の声を聞こえるようにすることができます。ただあまり効果はないような気がしますし、布が擦れるような音もかなり強調されるので多少違和感があります。
タッチジェスチャー
イヤホンに触るとノイズキャンセリングや曲のコントロールができるようになっていますが、これをある程度カスタマイズすることができます。ただし「左右のタッチジェスチャーを外音コントロール/再生コントロール/音量コントロールの中から選べる」という程度なので過度な期待は厳禁。
個人的にはジェスチャー自体は初期設定のままで、ノイズキャンセリングをオフにできるようにだけして使っていこうと思っています。家で使う時にはノイズキャンセリングよりバッテリーの持続時間のほうが大事です。
複数端末での使用
XM4はAirPods Proのようにシームレスに端末の切り替えができるわけではありませんが、結論から言うとそこまで困ることはなさそうだということになります。
というのもペアリングをしておけば、端末からXM4に接続するたびにXM4側が自動的にそちらに接続するようになっているようなのです。
Macであれば、Bluetoothのアイコンをメニューバーに表示しておけばいつでもすぐに接続できます。
iOS/iPadOSの場合はこのようなショートカットを作っておけば、ホーム画面からワンタップでXM4に接続できます。これならほとんど手間はかかりませんね。
ゲーム用途
ミリシタで軽く検証をした感じでは、iOS端末にAACで接続した場合で+8~+12辺りが適正であるように感じました。もちろんゲームによってタイミング調整の単位などは異なります。
タップ音をオンにするのはかなり厳しいですね。Androidの場合LDACはさらに遅延が大きなコーデックになるので、AACにコーデックを固定する必要もありかなり面倒ではないかと思います。XM4はゲーム用途で買うべきイヤホンではありません。 ただし接続はとても安定しており、レイテンシが常に変動するようなことはありません。
DSEE Extremeの有無による違いですが、ミリシタで言うところの±1程度の差のように感じます。どのみちタップ音は切らないと厳しいので、常時オンにしておいてよいと思います。EQの有無による差も感じませんでした。
総括
今ワイヤレスのイヤホンがほしくて「一番いいのを頼む」と言うとおそらくこれが出てくるのではないかと思います。Appleエコシステムの上で使うにしても、AirPods ProのようにOSそのものに統合されてはいないものの不便は一切感じません。
ソニーのワイヤレスイヤホンとして最高峰の音質、優秀なアクティブノイズキャンセリング、1日しっかり使えるバッテリーライフ、好みは割れると思いますがオシャレになったデザイン、一応使い物にはなるマイク、と昨今のワイヤレスイヤホンに欲しい要素をしっかりと押さえていると思います。予算に余裕があって入荷を待てるなら間違いなく良い選択でしょう。
ただし特にAndroidユーザーから「接続が安定しない」という声も聞かれるので、供給が安定するまでは待ちの姿勢でもよいかもしれません。その間にファームウェアのアップデートもそれなりに入るでしょう。
また個人的にはWindowsのパソコンにBluetoothイヤホンを繋ぐことができるようなアダプターも欲しくなりました。FiiO BTA30なる製品は見つけたのですがこちらはディスコンになっているようで、おそらくあちこち探すようなことになると思います。