iPhone 13 mini レビュー
2021年10月13日
iPhone 13 miniを購入して2週間使ってきました。やはり新しいiPhoneは良いものですが、今まで使ってきたiPhone 11との差をあまり感じられないのも事実ではあります。
カメラ
iPhone 13シリーズ全体の目玉で、実際13 miniでもカメラモジュールが大型化しています。……が、私が写真を撮るような場面では11との違いはあまりわかりませんでした。各所のレビューを見ても13 Proのカメラはよく出来ているようなので、カメラが少しでも気になるなら13 Proを選ぶのがよいかと思います。
(ポートレートモードで撮影した後クロップしています)
とはいえ決して悪くはなくいつものiPhoneのカメラという感じです。ナイトモードの初期設定での露光時間は11や12より短くなるようなので、手持ちでも時間に余裕があるなら露光時間を長めにするとより大きなセンサーの性能を活かした写真が撮れるでしょう。光源が入っている時のフレアはiPhone 11よりは軽減されていますが、まだ残っています。
フォトグラフスタイルはお気に入りの機能です。特にAndroidから移行してくる人はカラーを鮮やかに・色をわずかに寒色寄りにするとAndroid端末っぽい発色になりますよ。
バッテリー
12 miniの泣きどころだったバッテリーが13 miniでは強化されています。発表会では12 miniから駆動時間が1.5時間伸びたという表現でしたが、過去の端末で言うと11と体感的にはほとんど同等です。ただし負荷をかけるとあっという間に減っていきます。iPhone 8/Xの世代より前からの買い替えだと13 miniでもバッテリーの持ちはかなり良いと感じるのではないでしょうか。
性能
これもここまで来てしまうと正直なところ11との違いはわかりません。ベンチマーク上では確実に伸びています。iOS15にしてから11でもみられた、アプリ起動時のひっかかりは13 miniでも感じますが、アプリが開いてからの動作には一切ラグを感じません。ミリシタもデレステも最高設定で余裕です。原神は中設定なら60fpsでも安定しており、高設定だと辛い場面があるという具合。
13 ProではGPUが5コアになっているので、原神をスマホで高設定にしたい!というような場合は13 Proを検討するのがよいと思います。アイマスシリーズのような軽めのタイトルではA13辺りとほとんど差は出ません。
発熱
これも12シリーズの弱点として知られていた所で、13 miniでも残念ながら引き継がれてしまっています。ゲームなどで負荷をかけながらアルミフレームに直接触れていると低温やけどをしそうな程なので、TPUなどのケースを付けたほうがよいかと思います。
セットアップして2日ほどは普通に触っているだけでかなり発熱することがありましたが、3日目辺りから発熱はあまり気にならなくなりました。
サイズ感と重量、持った感触
13 mini購入時にiPhone 11の不満点として挙げたサイズ感。片手で全ての操作がうまくできるスマホはiPhone 6s以来ですがやはり快適です。サイズ感から想像するよりは多少ずっしりしているような感触はありますが、それでも現行のiPhone SEより8g軽いのです。ただし角が立っているので、ケースなしだとどうしても手に刺さります。
ディスプレイ
このサイズでFHD+なのでもちろんシャープです。どれだけ目を近付けてもドットやアンチエイリアス処理のぼやけは見えません。iPhone 11の液晶と比べると差は歴然としています。HDRはなにぶんこのサイズなのであまり恩恵にあずかることはないのではないかと思います。画面は11よりも明るくなっており、室内で輝度を最大にするとかなり眩しく感じます。
残念ながらリフレッシュレートは60Hzのままです。Android端末だとミドルレンジでも90Hzや120Hzだったりするので、せめて90Hzにはしてほしかったのが正直なところではあります。しかしiPhoneは60HzでもUIのアニメーションが滑らかでひっかかりがありませんし、タッチ操作への反応も昔から良好です。Androidの60Hzの端末よりずっと快適なので、致命的な弱点だとは思いません。
ノッチの小型化は13 miniではかなり効果があり、12 miniでは無理に詰め込んだ感のあったアンテナピクト部が以前のiPhoneと同じようになりました。ただこれもより大きなiPhoneから移行すると差を感じにくいと思います。
また炎天下では熱を持つ影響もあってか多少暗くなっているように見えます。13 ProのようにiPhone自身の発熱で暗くなるようなことはないと思いますが、たとえば炎天下でドローンを回すような時には注意が必要かもしれません。
5G
5Gが米国以外で実用的になるのは数年後になると思いますが、iPhoneは1台を長く使っていけるように作られているので今のうちから5G対応のものにするのはアリでしょう。
LINEMOのeSIMで、ソフトバンクのn78と思われるエリアで測定したスピードテストです。比較対象がミドルレンジなのもアレですがMi 11 Lite 5Gと遜色ありません。噂レベルの話ではモデムがQualcomm製に戻りSnapdragon X60を採用しているとのことなので、事実であれば5Gまわりの性能はSnapdragon 888を採用しているAndroid端末と同等と言ってもよいでしょう。
auの5Gです。エリアマップ上では4Gで使われていた周波数帯をNR化した場所のようなのですが、かなりよい成績が出ていますね。
バグ
iOS15には相変わらずちょこちょこバグがあります。iOS15.1が降ってくるなりアプリが更新されるなりすれば、ある程度は解決するでしょう。
Apple Watchでの画面ロック解除が登録できない- 15.0.1で直りました
- 集中モードをオートメーションで有効化しようにも場所が指定できない
- どうということはないような負荷でものすごく発熱することがある
- ストレージに居座る謎のシステムデータ(15GBぐらい)
- ミリシタが一度バックグラウンドに回ると音が出なくなり、そのままガシャを引くなどするとフリーズする
iOS14ほどではないにしろわりと安定したリリースではあると思います。
総評
iPhone 13シリーズは12シリーズのマイナーチェンジであり、また大きな変更は主に13 Proで行われています。それでも無印の13にも小幅ながらもアップデートが入っており、そこがバッテリーの増量・画面の輝度アップ・カメラのセンサーシフトIS化と地味ではありますが日常的な体験に直結する部分になっています。特にiPhone 11以前からの買い替えでは、Proでない13シリーズでも違いを実感しやすいようになっています。
Appleはより大きな端末が主流になっていく中でも、毎年片手で操作できるサイズ感の端末をリリースし続けています(A12の世代は途切れてしまっていますが)。そういう意味ではiPhone 13 miniはAppleのこだわりの詰まった、最もiPhoneらしいiPhoneなのかもしれませんね。