デュアルSIMにオススメの回線
2021年10月15日
2021/10/30: 一部加筆修正を行いました。
ここ3年ほどのiPhoneにはeSIMが搭載されており、各社の低価格プランとeSIM対応により手軽にデュアルSIM環境を作れるようになってきています。ここで各キャリアのサブ回線向けのプランをご紹介してみたいと思います。
注意
iPhoneのデュアルSIM運用には「モバイルデータ通信を利用しているSIMがデータ契約の場合に緊急通報ができなくなる」という仕様があり、これが原因でiPhoneが一時技適違反の状態になっていました(現在はAppleがこの旨の告知を行ったことで技適が認められています)。デュアルSIM運用を行う際は必ず両方の回線に音声契約付きのSIMを使用するようにしてください。特にIIJmioのeSIMは音声通話に対応しておらず、iPhoneでの使用には適していません。
楽天モバイル
2020年からの新規参入キャリア。20GB以降2980円の従量制と定額制のハイブリッドプランが特徴的。Rakuten Linkを使用すれば国内通話は無料なので、長電話をする人にもオススメです。
新規参入故エリアは発展途上で、持っている周波数帯の都合上室内には電波が届きにくくエリアマップではサービスエリアとなっていても圏外になりがちです。数ヶ月に一度というかなりのペースで通信障害を起こしており、メインで使うには危険(この記事で紹介するようなサブ向けの回線と一緒に使うか、楽天自体をサブにしてしまうのがよいでしょう)。また一般にはあまり知られていませんが楽天グループは某国国営のTencent社から出資を受けており、情報漏洩のリスクを気にする場合は使うべきではありません。
楽天のサービスをすでに使用していれば、公式サイトから申し込みと本人確認をした後My 楽天モバイルのアプリをiPhoneにダウンロード、eSIMのプロファイルをインストールするだけであり新規契約なら30分もあれば開通まで行けます。データ通信も1GBまで無料なので、XS以降のiPhoneユーザーがちょっと試してみるハードルはかなり低いのではないかと思います。
あまり使わなければ無料で維持できますが、半年間料金が発生する利用がないと回線が停止になるためほどよく使っておくとよいでしょう。1GBはスピードテストや動画サイトの使用ですぐに消費しきれる量です。
povo 2.0
auのサブブランドです。2021年の春にサービスインした時は平凡な20GB3000円のプランでしたが、9月に行われたリニューアルで一変し基本無料・データは都度購入のプリペイドスタイルになりました。
eSIMの開通はアクティベーションコードを打ち込む形式です。ここはもう一歩踏み込んでiPhoneアプリからの直接開通に対応してほしかったところ。
こちらも基本無料ですが半年間トッピングを購入しないと回線が停止になるので、たまにデータ使い放題を買って通信するのがよいのではないかと思います。タブレットなど外に持ち出す機会がそこまで多くないデバイスにとりあえず刺しておくのも良いでしょう。
通信網はauです。5Gの整備はかなりスローペースですが4Gの品質は良好。Androidで使う場合ひと昔前はVoLTEまわりに注意が必要でしたが、最近はSIMロックフリーでもほとんどau対応ではないかと思います。
LINEMO
ソフトバンクのサブブランドです。サービスインした時にはこちらも20GB3000円のプランのみでしたが、3GB990円のミニプランが追加されておりサブ回線として扱いやすくなっています。
サービスイン当初は契約ページの不備やeSIMまわりの混乱などがみられましたが、改善も早く現在は丁寧な解説ページが用意されています。一応LINEブランドであり専用のアプリは用意されていないため、データ残量の確認などはLINEで行なうことになっており、eSIMもQRコードやアクティベーションコードを表示するためのリンクがメールで送られてくる形になっています。
通信網はソフトバンク。3G時代のパケ詰まり地獄や4G初期の混沌としたイメージが抜けきっていない所はありますが現在のソフトバンクの通信網はそこまで悪くはなく、5Gのエリア整備もけっこう頑張っています。ここのところ通信速度はちょっと落ちぎみなのは気になるところです。
回線障害への備え、電話番号の使い分け、楽天モバイルと他社回線の組み合わせで高品質データ通信と無料通話の両立……などデュアルSIMの使い道はいろいろありますので、この機会に何か契約してみては。