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GeForce RTX3070を買って、アンダーボルトした

2022年09月24日

GeForce RTX3070を買い、アンダーボルトして常用するようになりました。

なぜ今?

  • 今まで使っていたGTX1070ではモニターの性能を引き出せない
  • 2022年初頭から異常なドル高に陥っており、数年程度では為替が戻りそうにない
  • 在庫処分によりAmpere/RDNA 2世代のグラボの価格がこなれてきた
  • Ada Lovelaceは爆熱、米ドルでの定価の引き上げ、4060は3080より若干遅い程度の性能に留まる……といった良くない噂が多かった
    • 買った1ヶ月後にAda Lovelaceが発表されたが案の定だった……

アンダーボルトとは?

ここからが本題。AmpereアーキテクチャのGeForceはRDNA 2のRadeonと比較してワットパフォーマンス、つまり消費電力あたりの性能に劣るとされており、実際70クラスでもGTX1070は150W程度の消費電力だった所、RTX3070は220Wとなっています。

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消費電力が多ければ多いほど、GPUの温度が上がりやすくなり、ファンの回転数も上がります。消費電力はGPUにかかっている電圧と電流によって決まるので、GPUのクロック周波数をある程度維持しながら電圧を下げることで消費電力を下げようとするのがアンダーボルトです。

……と書くと勘のよい方はお気付きかもしれませんが、これはやっていることは実質的にはオーバークロックで、クロック周波数を定格より上げないというだけです。グラボが壊れても保証は効きませんので、真似される方は操作は慎重に行ってください。

アンダーボルトをやってみる

まずはMSI Afterburnerをインストールします。MSIのアプリですがどのメーカーから出ているグラフィックボードでも動作します。安定性を見るために負荷テストをする必要があるのですが、これはUnigine Heavenを使っています。Extremeプリセットで15分耐えられたら合格とします。「Metro ExodusをレイトレーシングONの高めの設定で遊ぶ」といったものも効果的なようですが、Metro Exodusは持っていないので試していません。

Afterburnerをインストールしたら、まずメモリクロックを+1000にして設定を適用、その状態の設定を保存しておきます。Afterburnerにはスキン機能がありスキンによって操作性が異なりますが、現時点でのデフォルトのスキンでは「フロッピーのアイコンをクリック、右側の『1』をクリックする」という操作で保存できます。

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いきなりVRAMを結構豪勢にオーバークロックしているように見えますが、TechPowerUpのレビューによると、RTX3070に搭載されているVRAMは定格が1750MHzなのに対し、おおむね2000MHzまでは安全にオーバークロックできるようです。その差は250MHzで、GDDR6の仕様上250MHzぶんVRAMをオーバークロックすると実効レートは1000MHz上がることになります。Afterburnerの表記は実効レートになるので、ここで1000MHzメモリをオーバークロックしても特に問題は出ないことが多いということになるわけです。この段階である程度ストレステストや実ゲームを回しておいて、テクスチャバグが出るようならVRAMのオーバークロックは少し大人しめにしておくのがよいでしょう。

次にGPUのアンダーボルトです。これは製品による差やGPUの個体差もあるのでなんとも言えませんが、まず「850mVで1800MHz」にしてみて、そこからGPUの耐性や消費電力などを見ながら、クロック周波数と電圧を上げていってうまい妥協点を見つけるというのが良いようです。(この目安はあくまでRTX3070用なので、たとえば3060Tiや3070Tiなどではまた違った電圧と周波数を目指すことになります!)

まずAfterburnerでコアクロックを-200MHzにして設定を適用し、その後カーブエディターを開きます。

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カーブエディターは横軸が電圧、縦軸がクロック周波数になっています。今回は850mVの所にあるドットを上にドラッグして、1800MHzにしてみましょう。

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Afterburnerのメイン画面で設定を適用し、Unigine Heavenを回します。今回は15分耐えられたらOKとします。同じようにカーブを操作して、850mVで10MHzずつや20MHzずつ上げていってどこまで耐えられるか見ていきます。ベンチマークを回したり実ゲームを試してみるなどして満足できなければ、電圧を上げてさらにクロックを盛っていくことになりますが、もちろん電圧を上げれば消費電力や発熱は増えるのでそこのバランスを見ていくことになります。

参考までに、私の個体ではこのような感じになりました。Redditのスレを見る限りでは大ハズレのようなので、おそらく皆さんのRTX3070ではもう少しクロックを盛れるのではないかと思いますが、実際に試す場合は少しずつ慎重に。ちなみに、VRAMをOCしていない状態のTime Spyスコアは11987でした。

電圧 消費電力 クロック Time Spy
850mV 160W 1800MHz 11984
875mV 180W 1830MHz 12138
900mV 200W 1860MHz 12251
定格 220W 1950MHz 12357

元の状態よりTime Spyのスコアが良くなり、かつファンも有意に静かになっていた875mV/1830MHzの組み合わせを採用することにしました。

電圧/クロックカーブを作り込む

これでクロック周波数と電圧の組み合わせができたわけですが、このままではクロックが上限に張りつく前の段階ではただのダウンクロックになってしまうのでここからもうひと手間かけ、電圧カーブを作り込みます。一番最初の段階で保存した、GPU定格でVRAMだけ+1000MHzした設定を右側の「1」で呼び出し、カーブエディターを開いて875mVでの定格クロックを見てみましょう。

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定格では1725MHzなので、875mVの段階で+105MHzのオーバークロックをすることになります。コアクロックを+105して設定を適用します。

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カーブエディターを開いて、875mVの地点より右側にあるドットをひとまず1830MHzより下まで下げます。

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Afterburnerのメイン画面で設定を適用すれば、綺麗なカーブに整えてくれます。薄い実線の部分がぐちゃぐちゃになりますが、特に問題はないはずです。

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カーブができたら忘れずに設定を2番にでも保存しておいて、Afterburnerメイン画面右上のWindowsロゴをクリックして起動時に設定を適用するようにしておきましょう。

満足度は高い

こなれてきたと言っても7万円もするグラフィックボードですが、4Kでもある程度設定を絞れば60fpsでゲームが動作し、タイトルによってはDLSSやFSR2.0で1440pからアップコンバートするといった選択肢もあります。ディスプレイに4K/144Hzの映像を出力できない問題も解決しており、CPU以上に満足度の高いアップデートになりました。この構成で3年ほどはなんとかやっていきたいと思っており、それ以降は新しいパーツの出方次第となるかと思います。